「近代家具出版」設立50周年にあたり
近代家具出版が産声を上げた当時は「繁栄なき好況」といわれた数量景気が過ぎ去り、重苦しい不況の真只中で、産業界全体が過剰設備の重圧にあえいでおりました。しかし、経済全般の不況で一時的に伸び悩みが見られるものの、スチール家具業界の前途には明るいものがあると確信し、「月刊近代家具」をスタートさせました。
その後、業界は不況下における価格競争こそあったものの、需要は空前の伸びを見せ続けましたが、オイルショックに端を発した不況時には、業界も例外なく影響を受けました。そしてニューオフィス化推進により、業界は再び活性化を取り戻し、大いなる僥倖をもたらしました。2003年から首都圏を中心に再開発機運が高まり、業界にとり千載一遇の好機が訪れると同時に、転機を迎えることになります。
こうした時期に先代社長の薄井饒から月刊近代家具出版の経営を私が受け継ぎました。ところが早々にリーマンショックに端を発した大不況が生じ、日本経済にも回復の見通しが立たず不透明感が蔓延してきました。それを契機にオフィススペースも従来の考え方ではなく、新たな視点が求められるようになり、業界は従来のようなハード面だけでなく、ソフト面への取り組みが求められ、それが企業基盤を大きく左右することになってきました。
この50周年を新たな第一歩として、オフィス家具業界のさらなる発展のために微力を尽くすと共に努力を傾注してまいります。末尾になりましたが、今後とも各位におかれましては倍旧のご指導、ご鞭撻を衷心よりお願い申し上げまして、ご挨拶に代えさせて頂きます。(抜萃)
(株)近代家具出版 代表取締役社長/薄井 剛